2006/03/31

ウグイスボーロボロ

今日、私は朝から笑っている。何か良いことがあったから笑っているのではない。ただ、自分がいかに欺かれていたというか、いかに自分で自分を欺いていたか、ということに笑ってしまったのだ。
春先のこの季節、昔からトイレに入るとウグイスが鳴いているのに耳を澄ましては何ともない感じを抱いてきた。だから、大して啼き声になど興味はなかったものの、その啼きのパターンは一つだと勝手に思いこんでいたのである。つまり、「ホーホケキョ」だ。
しかし、さにあらず。今朝、徹夜の頭でコンピュータの前で座っていると、耳慣れた声が聞こえる。ウグイスだ。だから、反射的にトイレで座っている気分になっていた。ズボンはそのまま履いていたから括約筋は反応しなかったが、外をよく聴くと変なのだ。パターンが違う。神戸に移ってすでに十年以上になるから、今年からリニューアルなんてこともないだろうし、自然界がそんな気の利いたことはしない。無論、気前だけは良いのだが、今日はその気前の良さが違った。
「ホーホキョケ」・・・ん?
「ホーキョケ」・・・はぁ?
「ホキョ」・・・...?
仕舞いには
「キョ」である。
これはきっと誰かが真似をしている、声帯模写の方が近くに住んでいるに違いないんだぁ、とここでも思いこんで外を窺ってみるも、人影はない。よっぽど耳が悪くなったのか?そしてまた、
「ホーホキョケ?」
おちょくっとる。
この啼きは、メスに笑いをとっているのか?
「でも、人間の笑いをとってどうする、なあお前さん」と笑いながら、その後も外を眺めていた。