信愛すべきサァ・スチュワート・カンタベリー殿!
報告司祭の書面、本日夕刻に拝受致しました。
貴殿の苦しみ、これは私どもの痛みでもあり、同じ天蓋に住まうものであればこそ、血と肉をともに分かち合うがごとく、その苦悶すら常に分かち合おうというもの。大鉈を振るった者にしか分からぬあの罪深き快楽、かっ裂いた贄牛の腹から一本そしてまた一本と引っこ抜かれる血の滴る肉、それは貴殿の苦しみの元となるスペアリブであります。喩えとしてはやはり皮肉なものでございますが、私の頭蓋の毛根もこのスペアリブの如き運命。その苦しみは比べるまでもございませんが、しかし貴殿の苦痛は快楽が一つ一つ抜き取られ、浄化されていることを暗示してはおりませぬか。風化していく私の頭皮はもはや誘惑に堪え忍ぶべき試練として与えられた砂漠、この荒れ果てた地には悪魔が仕掛けた罠で足の踏み場もございません。されど、これは神の試練、この悔い改めをもって至福を願われておられるのではありますまいか。
最後に。
不躾な文面、何卒御寛恕頂きたく存じます。荒地にある貴殿の苦悶が一刻も早く癒されんことを切に祈りつつ。ドミヌス・テークム!
あなたのホモンクルス・キベルネティクスより
写真協力:スー・フランソワ・バトラー宣材写真本舗
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